𠮷備地方の考古学を支えたい

倉敷市教育委員会生涯学習部 副参事
(兼)文化財保護課長
福本 明さん

 𠮷備地方とは、岡山県と広島県東部を含む広い地域のことを指し、古代𠮷備国として栄えた地方です。特弥生時代の岡山県南は、吉井川・旭川・高梁川の三大河川の恩恵で得た豊富な鉄資源と稲作から特殊器台や特殊壺などの吉備独自の文化が生まれました。この倉敷考古館では、館独自で調査した古代𠮷備の発掘品を中心に展示しています。 今回は倉敷市教育委員会文化財保護課長を勤めながら、倉敷考古館の運営にも協力されている福本さんにお話を伺いました。

岡山で初の本格的考古学博物館

 倉敷市の専門調査員として倉敷考古館と関わる以前は、学生の頃に一見学者として来ていました。𠮷備地方で考古学を学ぶ人間にとって、倉敷考古館の存在は大変価値のあるもので、ちゃんと考古学者がいて考古学を教えてくれる、考古学専門の博物館は岡山県内でここだけでしたね。遺跡から土器を発掘したときも、その土器を持って倉敷考古館にくれば詳しい時代や種類がわかるほどに情報に富んでいるところです。 私のように子供の頃に刺激を受けて、将来考古学を専門にしようと思う人もいるので、その機会づくりの為にも館長の言われている「開かれた考古館」づくりは大切なことだと思います。

 考古学は日々情報が更新されていて、福本さんも倉敷考古館に学びに来る学生に教えてもらうこともあるようです。このように学者と地元の学生が学びあえる場があることも倉敷の魅力のひとつだと思いました。

福本 明さん