文化を見つめ直し、
未来へ残す

NPO法人倉敷町家トラスト
代表理事 中村 泰典 さん

 NPO法人倉敷町家トラストは、倉敷市東町にあります。「まちに灯をともす」をテーマに、町家を修復して新たな暮らしの場所の提供や、豊かなまちの暮らしを大切にするため、倉敷川畔重要伝統的建造物群保存地区及び旧市街地区に点在する空家となっている町家や不在家屋の調査とデータベースの作成を通じ、空家状況を把握し、町家の利活用を進め、倉敷のまちに灯りを増やしています。今回は倉敷町家トラストで代表理事を務められている中村泰典さんにお話を伺いました。

引き算をして、もとに戻す。

 倉敷市の中心街にある伝統的建築群には、伝統的な景観や風情を求めて、多くの人が訪れています。ですが、町家の暮らしは、戦後の「古いものを捨て便利で新しいものに」という風潮によって大きく変化していき、失われたものもありました。 そこで私たちは、自分たちがなくした町家の暮らしの文化をもう一度見つめ直し、これからの世代が地域文化の引き継ぎをできるよう、町家の再利用だけでなく、町家の暮らしが体験できる活動やイベントなど、ハード面とソフト面の両方で取り組んでいます。

 こだわりをもって昔からの町並みを残し、実際の暮らしに触れてもらうことでこれからへ繋いでいくことが出来るのだと思いました。その中で、今後も住んでいる人たちの声や取り組みもポイントになると思います。

中村 泰典 さん