昔懐かしい屛風祭りを
もう一度

「倉敷屏風祭り」倉敷商工会議所
相談役 岡 一郎さん

 屛風祭りは倉敷市本町、東町、倉敷美観地区の秋頃の祭りで、起源は阿智神社の祭礼の別名から来ており、町内各家が通りに面した格子戸を外し、屏風を飾り、花を生けて人々をもてなしたといわれています。一度は消えた倉敷屛風祭りは、当時の伝統を現代に活かすべく二〇〇一年から復活し、十五年間続いています。今回は倉敷屛風祭りの発起人である倉敷商工会議所の岡さんに、お話を伺いました。

伝統の復活がまちの活性化に

 倉敷屛風祭りを復活しようと思ったきっかけは、十七年ほど前、倉敷の観光客が減少し、ホテルやお店も減少して、まちの活性化や倉敷の商業・工業の衰えが問題になっていた時でした。そんな時、古い書物の中に「黒船があった頃、えびす・本町は袖振り合わんばかりの賑わいだった。」という文を見つけ、この賑わいをもう一度よみがえらせたいと思ったのです。 初めて開催した当時は、来客数が五万五〇〇〇人ほどでしたが、年間で七~八万人来るようになり、個性をもったお店がふえてまちが活性化していることを大変嬉しく思います。

 普段見られない格調高い町家の中で見る屛風は、美術館のガラスケースごしに見る作品とはまた別の趣を感じられ、私たち学生にとっても良い刺激になっています。屛風祭りのように観光面でだけでなく、教育も兼ねたお祭りは、今後も増えていって欲しいと思いました。

岡 荘一郎さん