暮らしの中にある
豊かさを発信

有限会社くま 代表取締役 辻 信行さん

 倉敷美観地区と、倉敷市酒津にお店を構えている「三宅商店」。倉敷美観地区にある「三宅商店」は、日用雑貨屋だった町家を改装し、倉敷市酒津の水辺のカフェ「三宅商店酒津」は平成二二年に古民家を再生して開店しました。ここでは失われつつある季節に気づいてもらうため四季折々の野菜や果物を取り入れたメニューでおもてなしをしています。 今回は「三宅商店」店主の辻さんに、倉敷への思いなどについて伺いました。

新しいものとかけあわせて、つなぐ

 倉敷美観地区に学ぶのは、高度経済成長時代の利便性や効率といった価値観に流されず、「豊かさの本質」を世代間で暮らし繋いだその暮らしぶりの蓄積が美しいまち並みだということです。 今、豊かさを取り戻そうとする時代です。豊かさのきっかけを倉敷から発信し、そこで気づきを持ち帰り、自分たちの暮らしにある豊かさに気づき育ててもらいたいです。 これからは古いものを新しいものと掛け合わせながらバトンタッチすることが大事です。そのなかで僕は倉敷から今の時代へ「本当の豊かさとはなにか」というメッセージを発信しています。

 自然の豊かさを五感で味わい、高梁川から流れる水に触れることの出来る倉敷だからこそ、心や暮らしの豊かさに気づけるのだと感じました。そして心の豊かさがある人が集まったからこそ今も文化や暮らしぶりが続いているのだと思います。

辻 信行さん